【Interview】訪問火葬との出会い「感謝されることの喜びが実感できる仕事」
記事のもくじ
コロナ禍で外出自粛が謳われている中、自宅に居ながらペットの火葬ができるサービスとして需要が増しているペットの訪問火葬。
ペットの訪問火葬とはいったいどのようなサービスで、どんな方が行っているのか?
このコラムでは現場スタッフの声を皆さんにお届けしたいと思っています。
そして今回は、神奈川県横浜市、川崎市を中心にペットの訪問火葬を行っている「田園都市ペットメモリアル」の山田佳弘さんにお話を聞いてきました。
ペットの訪問火葬は人に必要とされ感謝される仕事!
山田さん(以下山田):この仕事を始めたのは、2年前です。
その前は会社員として某大手企業に約20年在籍していました。
そこでは、営業から始まり、最終的には商品開発や映像編集、プロデュース(ディレクション)業務など、主にモノづくりに携わる仕事を行っていました。
このまま一会社員として勤め続けることもできたのですが、40代に入り人生の折り返し地点にさしかかった所で、何か新しいことにチャレンジしたいという気持ちが芽生えてきたんです。
転職ではなく、自分でビジネスを立ち上げ「生涯にわたって出来る仕事」がしたいと思い、様々な観点から考えた結果「ペットの訪問火葬」を始めることにしました。
山田:元々動物が好きで、動物と関わるような仕事をネットで探していたら、ペットの葬儀(火葬)に関する記事を見つけました。
その時見たのが、ペット葬儀のトラブル事例などが紹介されていた記事でした。
「不当な高額請求」「ペットの遺骨破棄」「ペットの遺体を生焼けで返す」など目をそむけたくなるような内容でした。
その記事を読みながら、自分の中に使命感の様なモノが湧いてきたのを覚えています。
ただし、その時は自分がペットの訪問火葬をすることになるとは思ってもいませんでした。
後に、偶然にもペットの訪問火葬をされている方とのご縁があり、色々と話を聞く中で、自分の中でペット火葬業をやってみたい。と思わせられるきっかけがありました。
それが、その方がおっしゃっていた以下の言葉です。
先輩
心の底から「助かったよ。ありがとう。あなたにお願いして良かった。」と感謝され、人に必要とされることの喜びを感じれるのがペット葬儀(火葬)ですよ。
この言葉を頂いたことがきっかけで、ペットの訪問火葬を始める事にしました。
ペット火葬は私の生き甲斐です!
山田:表現が正しいかは分かりませんが「最高のお仕事だと思っています。」
ペットちゃんを家族に迎えてから亡くなるまでの生涯は飼い主様にとって、長編映画の様なモノで、その映画のエンディングのコマを作るのが我々ペット葬儀社の役割だと思っています。
ペット葬儀(火葬)時間は1~2時間程度です。
その短い時間の中で、飼い主様の気持ちに寄り添い、悔いの残らない葬儀(火葬)をして頂くために、常に全力で飼い主様と向き合っています。
この仕事を初めて2年目ですが、人に必要とされることの喜びをこの仕事を通じて知りました。
私にとって生き甲斐と言っても過言ではありません!
山田:はい。キャンセル費は、当日でも直前でも一切頂いておりません。
飼い主様がキャンセルしたい理由は様々だと思いますが「キャンセル費がかかってしまうから、しょうがなくお願いされる。」という状況を避けたいのです。
どんな理由であれ、飼い主様が当社に対して少しでも疑念や不安を感じられているのであれば、絶対に満足のいく葬儀(火葬)はできないと思っています。
この仕事は、飼い主様との信頼関係で成り立っています。
例えば、訪問火葬車での火葬ではなく、ペット霊園の様な施設で火葬したい。と途中で気持ちが変われば、そのようにしていただきたいのです。
飼い主様が気持ちよく葬儀(火葬)出来ることを最優先としていますので、最良の選択が出来るようにキャンセル費は一切頂いておりません!
山田:そうですね。当社の独自サービスという訳ではないと思いますが…
ペットちゃんのお骨拾いの時に、小さなお子さんは箸が上手く使えないため、「あっちに行ってなさい!」と言われる親御様が多いのですが、お子さんでもお骨拾いが出来るようにピンセットを用意しています。
ペットちゃんは家族の一員ですから、皆でありがとの気持ちを込めてひとつひとつお骨を骨壺に収めて欲しいと思っています。
些細なことかもしれませんが、子供たちが頑張ってお骨拾いをしている姿をみると気持ちが和みますね。
また、深夜早朝の火葬の際はなるべく音が出ない様にポータブルバッテリーを使用して、火葬しています。
通常は、火葬炉内への送風装置を作動させる為に発電機(作動音が出ます)を使用しますがポータブルバッテリーを活用すれば、発電機を使用しない形での火葬が可能となる為、作動音を最小限に抑える事ができます。
ペットを弔う気持ちは万国共通!
山田:近隣トラブルは過去にありませんが、ちょっと困ってしまったエピソードはありましたよ(;^_^A
フィリピン人の奥様からの火葬依頼だったのですが、日本語が殆どできなくて、電話でお問い合わせ頂いた際もしっかりとコミュニケーションが取れたか微妙な状態でご自宅に訪問しました。
私は英語が喋れませんので、Google翻訳を使って何とかやり取りしましたが、ペットちゃん(ミニチュアダックスフンド)は亡くなってから2-3週間は経った状態でした。
適切な安置もされておらず、ご遺体はだいぶ腐敗してしまっておりました。
後に話を伺うと、ペットちゃんが亡くなってから近くのペット葬儀社数社に連絡をしたところ、日本語が通じないという理由でお断りされていたようなのです。
だから、私がご火葬をさせていただいた後は、本当に喜んでいただけました。
その奥様からは、いまだにお礼のご連絡をいただきます♪
山田:はい。ペットの訪問火葬はまだまだ認知度が低く、怪しいモノと思っている方も少なくありません。
大それたことは言えませんが、より多くの飼い主様のご葬儀を行う事により、訪問火葬のイメージアップになれば嬉しいと思っています。
また、私が所属している火葬協会東日本には、同じような志で飼い主さんと向き合っているペット葬儀社が多く加盟されています。
協会員同士で情報交換したり、スキルアップのための勉強会などを行い常にサービス品質の向上に努めています。
お互いライバルではありますが、同じ土俵(ペット葬祭業)の上でその土俵をより良くしていこうと考えている協会ですので、これからも協会の名に恥じないよう精進していきたいと思います。
ペットの訪問火葬はー生涯の仕事!
山田:きれいごとかもしれませんが、ペット火葬業とは「心が満たされる仕事」です。
飼い主様の心を満たすことで、自分も満たされます。
こんな素敵な仕事は他にはないと思っています。
ペットの訪問火葬を生涯の仕事にしたいと思います。
感想
今回は田園都市ペットメモリアルの山田さんとお話をさせていただきました。
私はペット葬儀社は、社会貢献の高い仕事だと常日頃から思っていました。
単にペットを火葬するだけではなく、動物の命を尊重しペットを亡くされた方の悲しみに寄り添い、辛く悲しい気持ちを少しでも楽にするのがペット葬儀社の仕事です。
そして、その事を具現化しているのが山田さんだと感じました。
この度は、お忙しい中お時間を作っていただきありがとうございました。
田園都市ペットメモリアルの詳細は以下の公式サイトをご覧ください。
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